Amazonの法人向けサービス、「Amazonビジネス」をご存知でしょうか。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が働き方の変革を迫られている今、企業のバックオフィス部門を中心にこのサービスへの注目が高まっています。
2020年9月10日には、Amazonビジネス事業本部主催で「AmazonビジネスMeetUp!Deluxe」というオンラインイベントが開催されました。本記事ではこのイベントのレポートを通して、「Amazonビジネス」というサービスの内容をご紹介します。
AmazonビジネスMeetUp!Deluxeイベント概要
このイベントでは、初めにAmazonビジネスを利用したバックオフィス業務の改善について説明をしました。その後実際に本サービスを導入している法人の社員の方々に、サービスの感想やこれからのバックオフィスについての思いをパネルディスカッション形式でお聞きしました。
終盤には、数々の企業に対して組織コンサルティングを行っているピョートル氏をお招きし、次世代のバックオフィス人材の在り方についてお話をいただきました。
非計画購買領域はコスト削減や生産性向上の可能性を秘めている
Amazonビジネスを導入するメリットについて、まずはAmazonビジネス事業本部の小原より説明を致しました。
以下、その内容をご紹介します。
計画購買と非計画購買
(Amazonビジネス事業本部 小原より)
早速ですが、業務で発生する購買について詳しく考えていきたいと思います。
購買は、大きく2つにカテゴライズすることができます。
1つは「計画購買」。これは文具などの事務用品のように、購入するものが決まっていて毎月の発注量も想定できる購買領域です。
もう1つが「非計画購買」。こちらは、現場単位で突発的に発生する購買を指します。量販店やホームセンター、各種ECサイトで逐一購入するものです。
現在、この「非計画購買」が問題になっているケースが、多くの企業で見受けられます。
非計画購買によってかかるコスト
その問題とは、総務・購買部門を通らず直接経理に申請があがってしまい、細かな管理ができなくなっていることです。そのため、把握できないコストが発生しているのです。
Amazonビジネスを導入すれば、これらの細かい購買についても管理することが可能です。また、大量の領収書の処理作業も不要になるので、経理業務を軽減することができます。
このように、Amazonビジネスの導入により、購買行動全体をデジタル化することができるのです。これは、将来的に大幅なコスト削減と生産性向上に繋げることができると考えています。
企業購買を支えるAmazonビジネス
Amazonビジネスは、多種多様な企業のニーズに十分応えられる数億種類もの品揃えを誇ります。また、法人限定価格での提供や購入数量に応じた割引も行っており、購入の費用を抑えることができます。
さらに、承認のフローや、承認が発生する注文金額のバーも細かく設定することができます。承認制に基づく購買の統制ができるので、管理の面でも安心です。
支払い方法については、コーポレートカード利用のほか、請求書払いにも対応しています。法人単位で一括発行することはもちろん、事業部ごとの発行も可能です。
そして購買データはcsv形式で出力可能です。また、注文の際に勘定科目を付与することもでき、経費内訳の把握や会計ソフトへの入力に便利です。
なお、個人向けのサービスのように、Amazonビジネスにも有料のプライム機能があります。対象商品の無料配送やお急ぎ便の利用はもちろん、限定セールや累積購入数に応じた割引などの特典を受けることができます。また、カテゴリーによる購買制限機能や、購買分析ツールも利用可能になります。
購買デジタルトランスフォーメーションを実現するAmazonイノベーションカルチャー
このように、Amazonビジネスを活用して非計画購買の可視化・管理をすることで、長期的には計画購買領域も含めて一元化し、購買のデジタル化を大きく推し進めることができると考えています。
なお、Amazonではお客様の声や体験をもとに、サービスやインタフェースなどの改善を行い続けています。実際に、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の時も、「新型コロナウイルス感染症対策特設ストア」(※現在は「医療関連物資ストア」)を開設し話題になりました。今後もよりお客様に寄り添ったサービスを提供していきます。
以上、Amazonビジネス事業本部の小原よりAmazonビジネス導入のメリットについてお話させていただきました。
パートナーセッション「コロナ下の間接購買デジタル化」
次に、パートナーとして、Coupa Software合同会社のビジネスストラテジー/バリューエンジニアリング ディレクター鶴岡氏をお招きし、今後の社会における間接購買についてお話いただきました。
Coupa Software合同会社は、カリフォルニア州を本拠地とするテクノロジー企業で、クラウドベースの支出最適化アプリケーションのトッププロバイダーです。鶴岡氏は、これからの時代はデジタル化の力を利用した長期的なコスト削減が重要だと話します。
以下に、鶴岡氏のお話をご紹介します。
総合クラウド支出管理ソリューションであるCoupaの概要
(以下、Coupa Software合同会社 鶴岡氏より)
まずは、Coupa Software合同会社の事業概要をご紹介します。
Coupaのアプリケーションは、精算・請求・支払・旅費経費事後精算という諸案件を統合し、支出分析や契約管理、資金管理などを叶えることで、支出最適化の観点で現場を支えています。現在100カ国以上の1300以上の顧客をコミュニティーとして束ね、新たな知的資産を形成しています。
CoupaはAmazonと連携しており、検索画面では社内のカタログとAmazonのカタログを一画面で比較できます。クリックするとAmazonビジネスの購入画面に飛び、購入後はCoupaの画面に戻ってきて、残予算などを確認の上で承認フローに回る仕組みです。Coupaではカタログからの購入率を、他のユーザーの平均値と比較しながら分析できるので、購買状況を把握することもできます。
コロナ下の間接購買デジタル化とは
Amazonビジネスは操作のシンプルさ・品揃えの豊富さにより、間接購買におけるデジタル化を一気に推し進めることができるツールです。
Coupaを併用することで、支出の管理などのサポートも受けることができます。導入を検討している場合は、Coupaの投資効果のレポーティングも無料で行っているのでぜひ活用頂ければと思います。
以上、Coupa Software合同会社 鶴岡様より、今後の社会における間接購買についてお話いただきました。
カスタマーパネルセッション「ニューノーマル時代のバックオフィス」
続いては、今バックオフィスの業務はどのような変化を迎えているのか、現場の声をお聞きしました。
お迎えしたのは、事務管理効率化に向けたクラウドサービスを開発・運営するfreee株式会社の経営基盤本部ムーブメント研究所・成田氏、発展途上国におけるアパレル製品および雑貨の企画・生産等を行う株式会社マザーハウスの執行役員コーポレート部門統括・王氏、そして、総合人材サービスを手掛けるパーソルキャリア株式会社の人事本部
戦略総務部 総務グループ マネジャ・今泉氏です。
この3名に、Amazonビジネス導入の経緯や、当時の課題、またこれからの時代のバックオフィスについてのお考えをお聞きしていきます。
【freee・成田氏】
「弊社はグループで一体感を持って働くことを大切にしていますが、現状はリモート業務で顔を合わせられない状況です。そこで、グループの熱量を生み出せるように、8時間オンラインで繋ぐイベントを行ったり、昼食代が支給されるオンラインランチを行ったりしています。現在の状況の中で工夫を凝らし、会社のフィロソフィーを実現し続けることが大切だと考えています。」
【パーソルキャリア・今泉氏】
「バックオフィスの業務フローの見直しの必要性を感じています。陳腐化しているフローを見直す機会として、現場と同じ速度でフローを改善しなくてはいけないと強く思います。」
バックオフィスは、このような状況下でも広い視点で創意工夫をし、現場の働きやすい環境を創出することが重要だということです。また、物凄いスピードで変化を余儀なくされている現場に置いて行かれないよう、キャッチアップすることも重要だということをお伝えいただきました。
VUCA時代を生き抜くためのバックオフィスとは
最後に、VUCA時代を生き抜くためのバックオフィスのあり方について、お考えをお聞きしました。
【freee・成田氏】
「とにかく様々なことに実験的にでも挑戦していくことが大切になると思います。経験値をためていくことで、変化する状況にも対応できる知見が手に入ると考えられるからです。」
【パーソルキャリア・今泉氏】
「今回のコロナ禍を変化していくチャンスと捉えて、失敗を恐れずにスピード感を持って新しいことを行い、組織としてのフレキシブル性を高めていけたらと考えています。」
【マザーハウス・王氏】
「バックオフィスの業務は、アウトソーシングをしようと思えばできるはずです。では、しない理由はどこにあるのか。それを考えることで、『そもそもバックオフィス業務とは?』ということに立ち返る必要性があるのではないでしょうか。」
不確実で流動的な時代に対応するには、恐れずに挑戦を続け経験値をアップさせること、また、現在の業務について今一度振り返ってみることが重要だということです。
基調講演「これからの働き方・生き方~Withコロナによる様々な変化~」
最後に、イベントの基調講演としてプロノイア・グループ株式会社 代表取締役ピョートル氏よりこれからの働き方・生き方についてお話を致しました。
以下、その内容をご紹介します。
これからの働き方・生き方 ~Withコロナによる様々な変化~
以下、プロノイア・グループ株式会社 代表取締役ピョートル氏より)
新型コロナウイルスの影響を受けて随所で聞くようになった「ニューノーマル」という言葉がありますが、新型コロナの発生よりかなり前から、パラダイムシフトは起こっていたと思います。今迎えている新しい環境が本当に「ニュー」ノーマルなのかをもう一度考えるべきです。
日本では何かを始めるときに前例やケーススタディが求められることがとても多いですが、時代遅れの「今」のやり方を忘れ、自分たちのビジョンに沿った世界を自由に作ればいいのです。守るべきは法律というフレームだけで、過去から事例を探す必要はありません。
今の時代、「働くこと」と「自由」を行き来することが標準になりつつあります。働く時間を短縮して、やりたいことや夢中になっていることに時間をとる生き方が一般化しているのです。また、ビジネスの枠組みで見てみても、新卒一括採用をなくす企業が増えたり、副業する人が増えたりしています。
このような時代に身につけたいのは、「稼げること」「立派なこと」を仕事にするのではなく、「好きなこと」を仕事にすることです。自分が本当に何をしたいのかという自己認識をして、自分に適した選択をしてそれをやり切ることが大切です。
会社に属している皆さんには、会社の命令に従う能力ではなく、セルフマネジメント能力が求められる時代です。自分の時間・自分のエネルギーを、意図したままにマネジメントできる「インテンショナルワーカー」であってください。何のために働いていて、何を実現するか、そのために何を行うかを考えることが大切なのです。
それは「働き方改革」、ひいては「生き方改革」とも言えます。自分が何を世界にもたらしてどういう風に幸せになりたいのか。その信念を整理することが大事です。信念が定まっていないと、会社の歯車になってしまいます。
バックオフィス業務を行う方には、このように社員が自分の好きなこと・信念に夢中になれるカルチャーを提供して欲しいです。いわゆる「フロー状態」の時間が3倍になると実績が2倍になるという研究もあります。社員が、社会に対する「影響」を感じ、仕事に「意味」を感じていること、そして構造が明瞭であり「信頼性」と「心理的安全性」が高い環境を作ることを意識してみてください。
今の時代を「常識」と捉え、落ち着いて好奇心を持てる環境を作れるか。いかに苦労、負担をなくしていくか。そんな「カルチャー作り」がバックオフィスの重要な業務だと思うのです。
Amazonビジネスが業務変革の第一歩となるように
今回のイベントでは、Amazonビジネスの概要から、実際に活用している企業の声、そして、これからの働き方・生き方についてのお話をお伝えすることができました。
Amazonビジネスは、具体的かつ効果的な業務改革の第一歩になるサービスです。新たな時代を迎えている今、本サービスの価値がますます高まっていることを感じます。この機会に、ぜひ導入を検討していただければ幸いです。
この度Amazonビジネスでは1月20日(水)に、第5回目となるミートアップイベントをオンラインにて開催します。
Amazonビジネス導入企業様のご登壇は勿論、Amazonビジネスの概要やプロダクトアップデート情報等もご紹介をさせて頂きます。
開催日時:2021年1月20日(水) 14:00~16:30
実施形態:オンラインセミナー
参加対象:経営層、経営企画部門、経理・財務部門、調達・購買部門、
情報システム部門の責任者、または準ずる方
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