1983年に介護事業を開始した株式会社 ツクイ(以下、ツクイ)。全国約770拠点に事業所を展開し、デイサービスの事業所数で は業界トップクラスのシェアを誇ります。近年は、訪問看護やホスピスなどの在宅看護 サービス領域にも進出。製薬企業など異業 種との連携も進め、統合・集約が進む介護 業界で事業基盤を着実に拡大しています。
事業規模が拡大する中で同社の課題となっていたのが、購買の「ブラックボックス化」です。もともとツクイでは地域密着型を重視していた背景もあり、各事業所は地元の業者や近隣のスーパー、ドラッグストアなどから購買を行っていました。一方で、何がいくらでどれくらい購入されているのかを本社から把握しづらい状況にありました。
そこでツクイは、本社の管財・購買部 購買課が各事業所の購買の一元化と統制を強化する形に移行。法人向けの事務用品通販サービスや食材用の受発注システムを導入し、購買先の標準化を徐々に進めました。
一方で、上述の取り組みによって可視化できた購買は全体の一部に過ぎず、既存のシステムではカバーできない領域も多く残されていました。その代表例がイベント用品です。事業所ではお客様の満足度向上のためにイベントを頻繁に実施しており、ゲームの景品や室内の飾りなど、細かな備品の購入頻度が高いという特徴があります。
加えて、購買処理そのものに多くの工数が発生し、時間がかかるという問題も顕在化していました。これまでは各事業所に小口現金を置き、従業員が現金で購入したうえでExcelベースの書類で管理する運用を続けていましたが、現場・本社双方の負荷は大きくなっていました。
そこで2023年には、インボイス制度と改正電子帳簿保存法への対応を見据えて経費精算システムを導入。それを機に一部サービスを除く事業所では小口現金を廃止しましたが、それまで現金払いで完結していた購買が従業員による立替精算や取引先からの請求書払いに置き換わったことで、かえって対応件数が増加しました。
領収書や請求書は膨大で、発送する事業所だけでなく受け取る本社にも大きな負担が発生します。同社コーポレート推進本部チーフスペシャリストの小川 成美氏は「全国約770事業所分の書類が一気に集まるので、その整理だけでも数日かかりました。そのうえ、記載内容が読めなかったり、紛失してしまったりするケースもあり、全体の購買内容を正確に把握できる状態ではありませんでした」と振り返ります。
このような状況下でツクイが出会ったのがAmazonビジネスでした。まず魅力的だったのは、既存のサプライヤーだけでは賄いきれない商材を含め、幅広い領域をカバーする圧倒的な品揃えです。オフィス用品や衛生用品などの主要消耗品はもちろんのこと、イベント・季節用品などの購買もカバーできます。「実際に、事業所でも個人がAmazonで購入して立替精算するケースが多く、法人サービスを導入してほしいという声が挙がっていたので、導入によって立替精算や請求の対応件数を削減できると期待しました」と小川氏は語ります。
さらに決め手となったのは、現場が購入したものを一覧で可視化できる点です。長年課題だった購買のブラックボックス化の解消につながるはずだという確信も後押しとなり、Amazonビジネスの導入を決定したツクイでは、利用開始までをわずか2カ月という短期間で導入を完了。初月から全事業所の約6割が利用するという高い利用率を記録しています。
このスムーズなオンボーディングを支えたのが、徹底した社内周知です。例えば、役員や管理職を対象とした会議に加え、各事業部の会議体でもAmazonビジネス導入について説明しました。ほかにも、社内の掲示板ツールを活用してアカウント登録を呼びかけ、期限を明示したうえで全事業所に一斉メールを配信するなどしました。
加えて、複数の事業所を束ねるグループマネジャーが率先して管轄先に登録を促し、必要に応じて作業をサポートするなど、さまざまな取り組みの積み重ねが登録率の向上につながっています。
さらに管財・購買部 部長の羽染 理恵氏は「当社従業員のITリテラシーは人それぞれのため、システム導入や変更の際に時間を要するケースも少なくありません。その中で、Amazonビジネスはすでに個人がAmazonの利用で慣れ親しんでいる人が多いからか、使い方に関する問い合わせがほとんどなかったのが印象的でした」と語ります。
しかし、利用ハードルが低いからこそ、購買規模の拡大や複雑化を招く可能性もあります。そこで同社は、運用をシンプルに保ちながら全社で統制を担保する仕組みを設計しました。
まずマスターメンテナンスや人事異動時の負荷を減らすため、アカウントは個人ではなく事業所単位で付与し、1回3万円以上の購入には1名の承認を必須としました。購入品の送り先は事業所に限定し、購入者名を必ず記載するように設定。こうして事業所に一定の裁量を持たせながらも、本社による統制を確保できる体制を整えました。
Amazonビジネス導入から1年あまりで、約98%の事業所が利用するようになったツクイ。その成果は数字にも現れ、立替精算は導入後1年で約4割も削減されています。
さらに大きな変化が、長年の課題だった「購買の可視化」です。購入履歴が一覧で確認できるようになり、商品カテゴリごとの購買ニーズ分析や推奨品の設定が可能になりました。「これまでしたくてもできなかったことが、Amazonビジネスによってようやくできるようになった」という手応えが得られています。
また、各事業所の購買内容を週次で確認し、必要に応じて連絡を行う運用も定着。不適切な支出を抑制する仕組みが整いました。社内イントラや事業所に設置したデジタルサイネージへの掲示を通じた地道な周知活動により、購買ルールの理解も着実に浸透しています。現場からも、商品ラインナップの豊富さやサイトの使いやすさについて肯定的な声が挙がっています。
購買先のリスクヘッジという点も、導入メリットの1つです。すでに複数の購買サービスやシステムを導入していた同社ですが、万一いずれかのサービスでトラブルが発生した場合でも、Amazonビジネスがあらゆる商品カテゴリを網羅的にカバーしていることで、安定して調達できるという安心感が生まれました。
今後の目標は、立替精算のさらなる削減です。購買標準化はある程度進んだものの、例えばスーパーや100円ショップをはじめとする実店舗での小さな物品購入は依然として残っているためです。実物を見ることでアイデアが広がるという良い面もありますが、「店舗に足を運ぶ時間が減ることで、事業所の業務に注力することができる」という狙いがあります。
最後に「購買の効率化は、経営とサービスの質を高める重要な取り組みの1つです。だからこそシステマチックな購買を実現し、創出したリソースをお客様に還元していきたい。そのためにもAmazonビジネスの活用度をさらに上げていきたいです」と締めくくりました。
*取材時期 2026年4月
*記載内容(役職、数値、固有名詞等)はすべて
取材時の情報です。
● 品揃えが豊富で選択肢が多い。日用品やイベント用品など、立替金として今まで現金で購入していたものがネットで注文できるようになった。
● 時間に制約がある場面や急な対応が必要な時などの業務効率化につながっている。
● お客様の衣類(下着や靴下など)は、パソコンの購入画面で色や模様を一緒に確認しながら、ご本人に商品を選んでいただくことができる。
※ツクイ提供の社内アンケートを一部抜粋して編集
株式会社ツクイの事例(PDF)はこちらからダウンロード
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