サービス付き高齢者向け住宅・住宅型有料老人ホーム・通所介護など、多様な介護サービスを提供する株式会社ヴァティー。関東地方を中心に156施設(2026年6月時点)を運営し、5,000名を超える利用者の暮らしを支えています。経済的な事情などで必要な介護サービスを受けられない人を減らしたいという思いを原点に、ホスピタリティの高い介護を追求してきました。
利用者1人ひとりに寄り添うため、同社は利用者に最も近い現場の判断を尊重しています。間接購買も原則として現場に委ねられており、文房具や収納ボックスなどの生活用品、レクリエーション用品は、各施設の職員が必要に応じて選定・購入していました。
しかし、課題となっていたのが購買にかかる手間です。複数の法人向けECサービスを導入していたものの、近隣のホームセンターなどへの買い出しや、法人向け以外のECサイトで購入後のコンビニ払いなどが後を絶たず、移動や小口現金の管理、立替精算の申請などに多くの時間を費やしていました。
その背景にあったのは、現場の高いコスト意識です。管理本部 経営企画部 チーフの菊池奈美氏は、「支出を少しでも抑えようと相見積もりを取る中で、法人向けECサービス以外で購入するケースが増えていたのだと思います」と振り返ります。各施設が収支改善を目指した結果、施設ごとの部分最適が進んでいたのです。
「問題は、その部分最適の総和が、必ずしも全体最適になっていなかったことでした」と語るのは、経営企画部 シニアマネージャーの橋口幸太郎氏です。商品価格を抑えられても、買い出しや精算に工数がかかれば施設の人件費がかさみます。本社でも取引先が増えるほど会計処理が複雑化し、業務負荷が大きくなっていました。
同時に、購買に付随する業務によって、現場の職員が利用者と向き合う時間が減ってしまうことも問題でした。橋口氏は、「安価な商品を探すためではなく、利用者を感動させるために時間を使ってほしいと思っていました」と、当時の胸の内を明かします。
そんな中、日本産業推進機構(NSSK)の支援のもと、生産性向上に向けた取り組みが進み、購買の仕組みも全社規模で見直すことになりました。複数のサービスを比較・検討した結果、最終的に選んだのがAmazonビジネスでした。橋口氏は最大の決め手として「購買における部分最適と全体最適を両立できること」を挙げます。「現場に全ての裁量を委ねれば全社では業務負荷が増え、本社が完全にコントロールすれば利用者1人ひとりのニーズに応えられなくなります。Amazonビジネスは、現場に購買を任せながらも本社が購買状況を把握・管理できるのが魅力でした」(橋口氏)
加えて、業務負荷を軽減できる点にも期待を寄せました。Amazonビジネスなら、検索から承認ワークフロー、注文まで完結するため、現場では買い出しや精算の手間を減らすことができ、会計システムとの連携によって本社の経費処理も効率化できます。価格面でも他サービスと比べてコスト削減効果が最も大きかったことから、導入を決定しました。
こうしてAmazonビジネスの導入を決めたヴァティーは、まずデジタルツールの活用に前向きな10施設で試験運用を開始。得られたフィードバックを反映しながら運用フローを固め、約2~3カ月後には全拠点へ展開しました。
当初、現場にはITシステムに不慣れな職員も少なくないため、導入が円滑に進むのか懸念する声もありました。ところが、実際に導入したところ、予想以上にスムーズに運用を開始することができました。普段から使い慣れたAmazonのサービスだったので、操作方法や利用画面に親しみがあったのです。
そして全拠点へ展開後、これまでの購買方法から、Amazonビジネスへ間接材購買を集約することにしました。その理由について橋口氏は、「複数のサービスがあると、結局相見積もりの時間が発生してしまうので、自分たちに最も合った購買方法だけを残すべきだと考えました」と説明します。
導入後は狙いどおり、現場における購買業務の効率化が進みました。その成果を象徴するのが、小口現金による精算額が年間で約30%減少したことです。
さらに橋口氏は、Amazonビジネスで購入する物品によって、施設で開催されるレクリエーションの質を高めることで、利用者の満足度をさらに上げられるのではと期待しています。
「施設の利用者にとって、レクリエーションは大きな楽しみの1つです。Amazonビジネスは品揃えが豊富で検索もしやすいため、職員も『こんなことができるかもしれない』と発想を自然と広げられます。そうしてレクリエーションの選択肢が増えれば、利用者にもこれまで以上に楽しんでもらえるようになると思います」(橋口氏)
現在、ヴァティーでは、Amazonビジネスの担当者主導のもと、各施設の小口現金の購買データを分析し、削減余地を洗い出しており、菊池氏は「今後は蓄積された購買データをさらに活用し、購買を最適化していきたいです」と語ります。どの施設でも購入頻度の高い商品は推奨商品として設定したり、施設ごとの「買いすぎ・買わなすぎ」をなくせるような施策を検討中です。
こうした取り組みの先で目指しているのは、単なるコスト削減や業務効率化ではなく、利用者への価値還元です。橋口氏は、「購買は、直接的であれ間接的であれ、全て利用者のための行為です。購買データを分析すれば、利用者のニーズも見えてくる。そこから必要なものを先回りして用意することが、私たちの目指す『利用者を感動させるサービス』につながります」と語ります。それを実現するためには、Amazonビジネスの力が欠かせないと橋口氏は考えています。「Amazonビジネスの担当者の方から、サービス導入後もデータ分析や課題の整理、改善提案を通じて、購買の最適化を継続的に支援してもらっています。もはや単なる購買先ではなく、購買におけるベストパートナーなのです。これからも、私たちに合った購買のあり方を一緒に考えてもらいたいです」(橋口氏)
取材時期 2026年6月
記載内容(役職、数値、固有名詞等)はすべて取材時の情報です。
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