Office_Screen Shot 2019-07-17 at 12.44.20 PM.png

間接材購買のマネジメント、できていますか? 【日本CFO協会レポート】

多くの企業では、間接材管理に着手できない課題感を抱えています。コスト削減の余地があるためです。この記事では、間接材の管理水準が低くなる背景・要因と、コストダウンに向けた手法について解説します。

企業が事業活動を進めていく上で外部から商品・サービスを調達することを購買といいます。

購買の対象となる商品・サービスは、企業の売上に直接関連する「直接材」と直接材以外の「間接材」の大きく二つに区分されます。

日本CFO協会(CFOの機能強化に取り組む一般社団法人)が発行するレポートによると、調査対象企業の6割が間接材管理の未着手の状況になっています。

間接材のコスト削減余地は高いもの調達業務の可視化などに課題を抱えている実態がうかがえます。
この記事では、間接材の管理水準が低くなる背景・要因と、コストダウンに向けた手法について解説します。

間接材の種類

「間接材」という言葉は、所属する企業によって様々なとらえ方があるのではないでしょうか。主なとらえ方は大きく二つあります。もともとは製造業の工場で使用されていた用語であるため、「間接材料」という意味合いの「狭義の間接材」、そして売上に直接関連しないすべての外部調達品を指す「広義の間接材」です。

本記事では以下の広義の間接材について触れていきます。

 

間接材の例:

・事務用品関連  文具、筆記用具、印紙類など

・IT関連     PC類、ソフトウェア、ライセンス、通信関連

間接材は管理水準が低い

間接材のうちインフラ関連など専門性を必要とするものについては、購買部門を設置するなど一定の管理水準を求める企業が多くなっています。

しかし、事務用品関連やIT関連については、社員や部門任せになって管理水準が低くなっている企業が多く見受けられます。

管理水準が低いことは次のような問題につながる可能性があります。

 

①   調達コストや業務コストが高くなる

社員や部門ごとに調達すると、ボリュームディスカウントなどの交渉が難しくなり調達コストを抑えにくくなります。

また、社員が調達する仕組みだとそれぞれが見積、納品、検収、支払い(依頼)、精算の一連の手続きを行うことになり、大きな業務コストが生じます。

 

②   コンプライアンスの問題が生じる

もともと調達業務は取引先との癒着などリスクの高い業務です。社員や部門任せにすると、コンプライアンスの問題が生じる可能性があります。

また、違法ソフトの購入やライセンスのただ乗りなど、IT関連のコンプライアンス問題もよく見聞きする話です。

 

③   ガバナンスの低下を招く

部門単位にパソコンやソフトウェアなどIT製品を調達すると、コミュニケーションツールやセキュリティツールが部門ごとにバラバラになってしまう可能性があります。

これが部門間の壁を作ることになり、経営の立場から各部門の状況が見えづらくなります。

部門ごとに異なる?間接材の購買管理

電機メーカーなどでは、グループベースで間接材購買のSSC(シェアードサービスセンター)を置いて、コストダウンや管理水準の高度化に取り組んでいます。しかし業種や企業規模の違いにより、多くの企業では社員や部門ごとの間接材の購買管理を行っているのが実情です。

部門ごとに購買管理することになっている原因として次のようなものがあります。

 

多様な調達品目で構成されている

先述のとおり間接材の特徴として、種類や用途が多岐に渡るという点があります。製造、営業、管理部門など部門によっても間接材のニーズが異なります。

また調達する場合も、計画的に調達する直接材と異なり、必要になった時にその都度発注をかけることが多いことも特徴です。そのため調達回数が多く、1回ごとの調達金額も小さくなる傾向が見られます。

このような特徴から、間接材は会社全体での調達コストや重要性が認識されづらくなります。

 

調達実態の可視化が難しい
間接材の管理水準を向上させるためには、現状の調達実態の可視化が欠かせません。しかし社内に間接材のデータベースが充分に揃っていない企業も少なくありません。

原因としては、ルールに基づくシステム化の遅れです。購買業務は外部への支出を伴うため、上司や統制部門の承認が必要となりますが、紙文化やハンコ文化が残る企業ではシステム化が遅れています。

調達コスト管理を行うためには、見積もり段階から支払い段階まで、詳細データ(日付、取引先、品目、数量、単価など)の詳細を把握する仕組みが求められます。

 

適切な間接材の購入ができる人材がいない

間接材の調達コストを適正化したいと思っても、社内に適切に購入することができる人材がいないというのも大きな課題です。「間接財購買部門を立ち上げたいが、どこから手をつけたらいいのかわからない」という悩みを抱えている企業も少なくありません。

間接材の管理水準を向上させるためには、適切な購買の標準化や、適切な購買ができる人材の育成が必要となります。

 

間接材コストを適正化する方法とは?

まず取り組むべきことは、今あるデータで間接材の購買実態を可視化することです。可能であれば、在庫状況やオペレーションコストも把握したいところです。

可視化の目的は、調達コストの削減に向けた施策を立案することにあります。そのためには、可視化にも工夫が必要です。有力な手法として、発注部門数・取引先数・数量・購入金額などのマトリックスを作成することがあります。例えば、発注部門数と取引先数が両方とも大きな品目は、適正化することでコスト削減の効果が期待できますので、優先的に対策を講じることになります。

施策としては、購買部門や取引先の集約、外部サービスの活用、人材育成などがあります。

 

調達取引構造の分類と打ち手

購買部門や購入先(サプライヤー)を集約させる

調達量や金額の多い品目は、集約することでコスト削減が実現できます。また、購買部門を専門的な組織に集約することで取引先も集約することができるようになります。

取引先の集約を進めると個々の取引先ごとの取引量が増え、スケールメリットを生かした交渉ができるようになります。また、品目や数量によっては、合見積もりを進めることでさらにコストダウンが期待できます。

 

外部サービスを利用する(マーケットプレイスなど)

間接購買では、数量や金額が少ない品目も少なくありません。また、突発的に調達が必要となる品目もあります。こうした品目はロングテール(長いしっぽ)品目と呼ばれています。

ロングテール品目を購買組織で管理することは、業務コストがかさみ得策ではありません。

ロングテール品目は、外部サービス(マーケットプレイスなど)を利用した調達が効率的です。EC取引の拡大に伴い、年に数点しか売れないような商品も取りそろえるなど圧倒的な数の商品を用意するマーケットプレイスも出現しています。

商品数の豊富さだけでなく、承認ルールの設定ができたり、購買内容を可視化することができるなど各種サービスも充実していますので、マーケットプレイスを利用した間接材の調達は、現在では有効な購買施策の1つになっています。

 

調達者の育成、リーダーシップの確立

人材育成により、間接財調達の管理水準の向上を目指すことは、内部資源が充実し、継続的に管理水準の向上を図れることから有力な施策となります。

社内にスキルのある人材がいない場合や他社のリファレンスモデルを参考としたい場合などは、専門的なコンサルタントを活用して組織や業務モデル設計、調達パーソンの育成などに取り組む必要があります。

特に、購買部門は調達コストの削減だけではなく、現場統制やコンプライアンス順守などが求められる組織です。そのため、購買の担当者は購買業務の処理能力だけでなく、購買戦略の立案・実行や各部門との社内調整、信頼関係づくりが求められます。長期的計画的な人材育成が必要になります。

 

間接材コスト削減は、早期に解決できるものから着手

間接材のコスト削減の基本はコストの見える化です。社内のデータ不足などにより見える化に手間取ってしまい中々次のフェーズに進めない企業も少なくありません。

早期に見える化を行う有効な手段として、マーケットプレイスを利用することも考えられます。注文履歴データや請求データなどを受け取ることができますので、品目別や部門ごとの実績が把握することができます。調達者の育成には時間がかかりますが、マーケットプレイスの導入はすぐに実施することができます。まずは早期に着手できるものから進めていくことが重要です。

併せて、ルールを決めてマーケットプレイスを利用することで調達コストの標準化や業務コストの効率化が図れます。早期に管理水準の向上を目指せる解決策の1つと言えるでしょう。

間接材購買のマネジメントに関するお役立ち資料

日本CFO協会による調査レポート
「間接材コストのマネジメントに関する実態調査とロングテールスペンド管理への示唆」


日本CFO協会にて財務幹部300人を調査したレポート のpdf版がご覧いただけます。

「日本企業が抱える間接材コストにおける課題とは?」
「間接材コスト適正化のための要素とは?」
「突発的で計画外の調達品目に効果的に対応するには?」

購買改革に役立つヒントがたくさん詰まった本レポートを、ぜひ貴社の購買活動にお役立てください。

関連記事