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【イベントレポート】Amazon Business Exchange 2021

”Amazon Business Exchange”が開催されました。当日のセッションから「日本企業に存在する”ムダ”をどのように削減していけるのか」をテーマに、読者の皆様に“ムダ”を削減するコストイノベーションのヒントをお届けします。

アマゾンジャパンは、2021年7月8日から9日にかけて、日本では2回目となる”Amazon Business Exchange”をオンラインで開催しました。「Amazonビジネス」とは、2021年に日本でのサービス開始から4年目に突入する、Amazonの法人・個人事業主向け購買サイトです。様々な規模・業種の企業様にご利用いただいており、時価総額上位100社のうち80社以上、また、東証一部上場企業のうち75%以上の企業様がAmazonビジネスで購買しています。


「日本企業に存在する”ムダ”をどのように削減していけるのか」をテーマにし、多種多様なビジネスリーダーをスピーカーに迎え、セッションが行われた2日間。この記事では、その中からいくつかのセッションをお伝えしつつ、読者の皆様に、“ムダ”を削減するコストイノベーションのヒントを届けていきます。

 

”さらに良いものを生み出し続けるため、皆様からのご意見を一つ一つ大切にしていきたいと思います。”と話すアレックス・ギャノン

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「人の役に立つ」ということが仕事の原点

イベントは、NewsPicksとのコラボ企画から開始されました。
NewsPicksの人気オンライン討論番組“The UPDATE”のAmazon Business Exchange 2021特別版。「企業を成長させる『コストイノベーション』とは?」と題して、経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役・人事総務本部長の島田由香氏、株式会社マクアケ共同創業者/取締役の坊垣佳奈氏という論客を迎え、ここにアマゾンジャパン Amazonビジネス事業本部 事業本部長の石橋憲人を加え、1時間にわたる白熱した議論が展開されました。

The UPDATEは前半と後半で次の2つのテーマ、「企業の成長を阻むコストはどこにあるのか」「『ムダ』を無くすためのマインドセット」で議論され、論客たちの考える根本的な原因とそこからの解決のヒントが熱く語られました。

議論の中で冨山氏は、労働生産性の低い日本はこれを恥ずるべきだと述べた上で「ムダを無くすには、自分が1時間やったことに対して誰が対価を払ってくれるのか?真剣に考えること」だと語りました。
Amazon Business Exchangeのオープニングは、イベントの参加者にとって企業においての「ムダ」は何なのか?そしてそれはどのようにして解決していくのか?を再考するよいきかっけとなったのではないでしょうか。

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リモートワーク、マンパワーの削減…新たな課題にどう対応したか?

続いて迎えたのは、合同会社DMM.com 組織管理本部総務部 部長の高橋応和氏と、KDDI株式会社 コーポレート統括本部購買本部 PI推進部 部長の松井伴文氏。コロナ禍における調達/購買のリアルな変化と、新たな課題に対してどのような対応策をとったのかが語られました。


"Amazonビジネスをきっかけに、社員サービスアップに向けた組織改変を実現できた" ー合同会社DMM.com 高橋氏

DMM.comの高橋氏は、Amazonビジネスの導入により購買内容の全体像を見えるようにしたことで、購買部門を一元化するという、新たな変化を生み出せたと話します。また、リモートワークへの対応策の1つとしては、社員がAmazonビジネスで商品を購入した際、その発送先を自宅に設定できるようにしたことにも言及しました。「個人の働きやすさのために、自宅への配送許可を決断しました。この決断は、コロナの状況に関わらず今後もハイブリッドで効率性の高い働き方を続けていこうというメッセージになっていると思います」

"Amazonビジネスの導入で、人の手間をかなり削減することができた" ーKDDI株式会社 松井氏

Amazonビジネスが貢献できたことについてさらに詳しく語り合う中、KDDIの松井氏は、伝票処理や立替清算からの脱却に役立ったと強調しました。「品揃えも素晴らしいし、何より個人用のAmazonサイトと操作が同じなので、すぐに浸透しました。リモートワークを導入し状況的にもマンパワーを減らさざるを得ない中、工数が軽減されたことに感激の声がありました」

Amazonビジネスを活用して変革を進めていったという共通点がある両社。一方でこの対談を視聴すると、新しい動きにスピーディーに取り込むDMM.comに対し、KDDIは、ガバナンスを重視してAmazonビジネスの導入にもかなり慎重な姿勢をとっていたことが分かります。両社の違いも見える、興味深いセッションとなりました。

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世の中の変化は追い風。常に先行して変革を起こす企業の「勝ちパターン」とは?

続いて、購買・販売の変革に先行して取り組んでいる3社のリーダーを迎えます。
アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長 大山晃弘氏、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社 調達本部 インダイレクト調達統括部 調達統括部長 角田隆明氏、ボッシュ株式会社 グローバルビジネスサービスジャパン 副資材購買部 エキスパート兼マネージャー 馬目悠司氏の3名です。
多様化が進む中でそれぞれの企業に訪れた機会や課題、また、その中で発揮すべきリーダーシップについて語りました。

"激動の時代を前向きに捉え、サービス・商品開発を加速させようとしている" ーアイリスオーヤマ株式会社 大山氏

三者はまず、多様化する世の中にどう対応していくのかを議論。
コロナ禍を機に、いち早くマスクの製造を強化したアイリスオーヤマは、社会の激動をチャンスと捉えて業績を残すことが「勝ちパターン」となっていると話します。その姿勢は社内改革でも同様。この度、コミュニケーションツールをメールではなくビジネスチャットに切り替え、やりとりをオープンにすることでムダを排除するという、時代に即した変革を行ったとのこと。
「何か変化を起こすときは、トップダウンが必要です。しかし同時に、社員に対し、待遇・やりがいの面でもプラスになる変化なのだと強調することが大切です」

"多様な背景の人間が集まる弊社でもスムーズに導入ができた。調達部門として、いいインフラを作ったなと思っている"
ーコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社 角田氏

続いて、変革を起こす際に発揮するべきリーダーシップについてそれぞれの視点で語ります。コカ・コーラボトラーズジャパンでは、より効率的な購買の形を求め、2020年に社内購買システムを一律で刷新。その立役者の1人である角田氏は、スムーズな導入が叶った要因を分析します。「弊社には、新卒・中途、外国人など、多様なバックグラウンドを持つ人が所属しています。平等さを担保するために、トップダウンで、かつ全く新しい仕組みを導入したのが奏功しました」

"導入をしたことで、社員からは“ようやく来たか”と好評。工数も減って、助かっている" ーボッシュ株式会社 馬目氏

「これまでは工場ごとに購買をしていましたが、1つの中央購買組織を設け、全世界の購買を集中して管理する形に切り替えました。従来の形だと、発注内容の承認を得るのに何段階ものステップを踏む必要がありましたが、よりスピード感のある決断ができるようになりました」
馬目氏は、この組織変更のタイミングで導入したAmazonビジネスについても言及。「導入について、社員からの要望は以前からありました。現在導入から半年ですが、驚異的なスピードで浸透し、すでに多くの購買がAmazonビジネスを経由に切り替わっています」

ほかにも、今後Amazonに実装してほしい機能についても議論は広がります。企業としてのカラーは三者三様ですが、変化を改革のチャンスと捉える共通姿勢が見えた、エキサイティングなセッションでした。

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「国民目線」でデジタル庁を創る。加速する国のDXのキーポイントとは?

最後に、9月1日にスタートしたデジタル庁の準備を進めていた統括官付参事官付企画官 津脇慈子氏を迎えました。デジタル庁の立ち上げを進めた中で直面してきた様々な課題と、その課題への解決策が語られました。DXを求められているのは民間企業だけではないと津脇氏は強調。コロナ禍の対応において、国のデジタルへの弱さや遅れが浮き彫りになったことへの反省の思いも口にします。

"色々な立場の人の目線で「共感」することを大事にしながら、誰一人取り残さないデジタル化を目指している"

津脇氏は、これからは「供給者目線」ではなく、徹底した「利用者目線」「国民目線」でデジタル庁を創ること、そして、利用者の声を聞いて柔軟にサービス内容を変えていくことが重要と強調します。

「“役所仕事だから絶対に間違ってはいけない”というスタンスから脱して、まずは小さなことを始めてみる。アジャイルなプロセスを認め、皆さんから不評な声があればやめるというのも、1つの立派な選択肢だと思っています」

公共事業の最先端で活躍する津脇氏の言葉からは、ビジネスの世界にも応用できる実践的な要素が数多く見受けられたのではないでしょうか。

Amazon Business Exchange 2021のオンラインカンファレンスの様子を一部お送りしました。いかがでしたか。

2日間で合計21セッションが開催された本カンファレンス。Amazonビジネスの営業担当者によるサービスの案内、開発担当者による機能紹介に加え、部門別セッションでは、経理や総務の視点での業務改善のヒントをお届けしました。また、業種別セッションでは、様々な企業のご担当者様の共演が実現し、業界ならではの懸念や活用事例を具体的な経験を交えながら議論しました。視聴者の皆様にとって、日々の業務に役立つ多くの要素があったのではないでしょうか。

 

イベント当日の動画視聴をご希望の方は、こちらからアーカイブをご覧ください。
イベントに参加登録済みの方は、こちらからオンデマンドで動画をご覧いただけます。(登録したアカウントとパスワードでログインが必要となります。2022年3月31日まで。)

※津脇慈子氏のセッションビデオは見逃し配信対象外となります。ご了承ください。

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