今回のイベントでは、「間接材に対する意識改革が全社の調達改革に繫がる」をテーマに、間接材の意識改革の必要性、改革の手法、購買システムの役割について購買業務のスペシャリストの皆さまにお話しを伺いました。また購買業務の効率化に欠かせないシステム「Sap Ariba」と「Amazonビジネス」のサービスについてコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社の事例を一部用いながら、紹介しています。
ー コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 調達本部 インダイレクト調達統括部長 角田 隆明 氏
「Amazonビジネスを導入し、立替精算工数70%低減、見積工数80%削減に成功、テール調達品目の50%可視化が実現でき、20以上あった工数が4分の1以下にぐっと減った。」
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<登壇者>
・未来調達研究所株式会社 坂口 孝則 氏
・SAPジャパン株式会社 インテリジェントスペンド&ビジネスネットワーク事業本部 営業部長 巖 直樹 氏
・Amazonジャパン合同会社 Amazonビジネス事業本部 コマーシャルセクター営業本部 鐸木 恵一郎 氏
無視できない間接材コスト比率
最初のセッションは、未来調達研究所株式会社の坂口氏から「間接材の比率」について説明がありました。
「直接材は、コスト削減および効率化に取り組まれていますが、間接材についてはほとんど取り組まれていないのが現状です。理由は、間接材における費用および処理にかかる時間が可視化できていないからです。業界により比率は異なりますが、売上高における間接材の比率は、無視できない水準まできています。
間接材比率は、平均で10%以上(法人企画統計より未来調達研究所作成)という統計がでています。間接材10%のうち1%でもコスト改善できれば、それだけでも利益貢献になります。直接材は既にやりつくされていると思いますので、今こそ間接材の改善に着手しては如何でしょうか。しかも、間接材の煩雑な処理を整備することにより、業務効率も改善されます。コンプライアンスやガバナンスの意識が高まり、かつ人件費の削減や効率化が経営課題となっているからこそ、間接材調達にこれまで以上の取り組みが望まれる状況にあります。」
間接材に対する意識改革
坂口氏は、さらに間接材の取り組みが進まない理由を掘り下げ、1)統一ツールの不在 2)間接材ルールの不在 3)間接材調達の組織の不在を強調しています。
「いずれの方法も、一朝一夕では解決できない取り組みです。効果が分からないものを推進するのは難しいと思います。そのため、小規模でも、間接材の見直しに取り組み、効果を実感していただきたいです。効果が確認できましたら、会社経営陣に報告し、全社として間接材の見直しに取り組んでください。実績を基に取り組むことにより、全社の意識改革に直結し、上記に挙げた3つの進まない理由も解決できます。」
間接材の定義
次のセッションでは、SAPジャパン株式会社の巖氏から「間接材調達の改善には、まずは間接材の範囲を定義すること」の重要性について説明がありました。
「そもそも直接材と間接材の区別が曖昧な企業が多く、間接材を正しく認識できない可能性があります。理由は、管理できている間接材もあれば、管理できていない間接材も存在しているからです。各部署でバラバラに調達を管理されているため、そもそも間接材という認識が無い購入もあると思います。つまり、実態が把握しきれない状況と思います。よく間接材とは?とご質問をいただきますが、直接材以外全てが間接材と答えるようにしています」
購買システムによる間接材の可視化
さらに、巖氏から「改善に必要な可視化の方法」について購買システムを導入することの重要性について説明がありました。
「間接材の定義を確定させれば、間接材の状況を勘定科目レベルでは確認ができると思います。しかしながら、勘定科目では、「いつ」、「だれが」、「どこで」、「なに」、「どれくらい」、「どのように」の情報が無く、分析に必要な可視化に限界があります。分析に必要な情報をマンパワーで収集するのも良いですが、より人件費がかかったり、後々見直しができないなど、限界があります。間接材の可視化に取り組むには、購買システムなど、ツールの検討が不可欠と思われます。統合されたツールの導入は、バラバラだった各部署の間接材購買が集約することに役立ち、結果として1)集中購買によるボリュームディスカウント 2)事務プロセスの自動化・効率化 3)会社方針の徹底が期待できます。また、可視化された間接商材は、継続的なコスト削減の機会の創出とPDCAサイクルの確立の手助けとなります。」
SAP Ariba(調達・購買ソリューション) とAmazonのシステム連携
最後に巌氏と鐸木氏よりSAP AribaとAmazonビジネスにおけるシナジー効果について説明がありました。
「SAP Aribaでは、間接材購買で想定される購買プロセスを標準でサポートし、かつ様々な角度で分析できるよう分類化できる調達・購買ソリューションです。そしてAmazonビジネスはSAP Aribaとシステム連携(パンチアウト)していて、いつも利用しているAmazonビジネスとほぼ同等の操作で商品を選択・購買処理が可能です。」
セッション終了後には、質疑応答が行われました。
参加者からの「失敗しない間接材の見直し方法は?」という質問に対し、坂口氏より「全社で取り組むこと」「継続してやり続けること」「間接材の見直しによる効果は、全社で取組むことにより明確な効果があらわれ、かつ購入先の選定から購入の妥当性までを定期的に監査できるプロセス作りの重要性」を改めて説明されました。他にも購買システムの必要性など、参加者の既存の取組みと今回紹介したプロセス統一化の違いについて質問が寄せられました。