Hero image

【導入事例】鹿島建設株式会社のデジタル化の推進。業務効率化・可視化、働き方改革への挑戦- One Amazonの取組 (7)

建設業における課題の一つとして、就業者不足があります。鹿島建設株式会社も例外ではありません。また、就業者不足の現状がある一方で、働き方改革関連法の改正に伴い、残業時間の短縮、業務効率化が求められています。今回は、同社がAmazonビジネス・Amazon Web Services (以下、AWS)を活用することで、如何にして業務効率化を図っているか、取り組む上での障壁をどのようにして乗り越えたかを含め、同社の働き方改革・デジタル化へ取り組み事例をご紹介いたします。

Amazonビジネスでインサイドセールスを担当している恵木と申します。前回は、AmazonビジネスとAmazon Hubロッカーの2つの法人向けAmazonサービスを利用しているお客様の事例についてご紹介いたしました。

今回は、購買業務改革への推進としてAmazonビジネスを、そして業務効率化・可視化を実現する3 次元化のプラットフォームにAWSを採用いただいた鹿島建設株式会社様の働き方改革・デジタル化への取り組みをご紹介いたします。

<<前回の記事:【導入事例】注文時の現場の立替精算負担を削減、受け取り時のセキュリティ強化・社員400名分の仕分け業務を撤廃 - One Amazonの取組 (6)

AWSは世界最大のクラウドコンピューティングサービス企業です。世界190ヵ国、数百万を超えるお客様、国内数十万のお客様のビジネス変革を支援しています。おります。

コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、アナリティクス、ロボット工学、機械学習/人工知能(AI)、IoT、モバイル、セキュリティ、ハイブリッドクラウド、VR・AR、メディア、アプリケーション開発・デプロイメント・管理など175以上のサービスを提供中です。

<<AWSに関する詳細はこちら

aws

導入事例:鹿島建設株式会社



鹿島建設株式会社(以下、鹿島)は1840年創業の大手総合建設会社です。土木・建築・海外・開発事業など多岐に渡る事業領域を持ち、積極果敢に挑戦する「進取の精神」のもと、常に時代の動きを敏感にとらえ社会のニーズに応え続けています。

鹿島の取り組み (1)  Amazonビジネスの導入背景と効果


”工事を安全に、円滑に、予定工期内に収めることで、世の中の安全・安心を創り出すことが使命である弊社にとって、Amazonビジネスは現場で困った時にすぐに助けてくれる、頼りになる「現場の仲間」"


Amazonビジネス推進担当 九州支店
西鉄春日原駅付近高架工事事務所 石橋 靖亨 氏

Amazonビジネス推進担当 九州支店 管理部 現業グループ 石橋 靖亨氏

購買のデジタル化による働き方改革への挑戦。経費精算の削減と業務効率化に向けて

働き方改革へ取り組みを強化するため、鹿島では働き方改革チーム「生産性向上推進タスクフォース」が編成されています。業務効率化、職場環境の改善を進める中、私が所属したチームでは、課題の多かった「購買」に着目し、効率化・デジタル化に向け情報収集・分析を始めました。

Amazonは豊富な品揃えと配送スピード、そして価格比較により最適な購買を選択できることが特徴であると感じています。また、現場で使用する備品なども、豊富な商品の中から、説明動画やカスタマーレビューを参考にすることができるため、適切な商品を短時間で選択することができ、購買先としてAmazonを選択する機会は多く発生していました。

しかし、一方で都度突発的に発生する必要なものを購入するため、購入における承認の取得や経費精算の工数発生の課題がありました。これらの課題は、特定の部門・現場に限る問題ではないため、全社的に解決する方法を検討したところ、法人購買に特化した機能を備え、請求書払いの対応が可能なAmazonビジネスにたどり着き、導入を提案・推進しました。

Amazonビジネス導入効果と社員の声

Amazonビジネスの導入後、請求書払いの選択により、これまで従業員それぞれで実施していた経費精算の工数を大幅に削減することができました。また、部門を横断し、本社及び各支店に展開することで利用者は増加しており、特に離島・遠隔現場社員からは発注から手元に届くまでの日数が半分以下になったと声が上がっています。

そして何よりも、使い勝手は個人向けAmazonと変わらないため、スムーズにAmazonビジネスに移行することができました。基本操作の研修が不要であり、承認ルールなどの社内運用の周知に集中することができるため、大幅に導入ハードルを下げることができ、Amazonビジネスの大きな強みであると感じています。

Amazonビジネス推進担当 九州支店 管理部 現業グループ 石橋 靖亨 氏

今後の取り組みと期待

全社的なAmazonビジネスの活用に向け、引き続き、導入を推進することで「購買」における業務効率化の効果をより一層高めたいと思っています。また、現在、更なる業務効率化並びに効果的な活用に向けBusinessプライムの試験運用を実施しています。
Amazonは、常に新しいサービスを世界に発信しており、既存の事業にとらわれない企業風土を感じます。私自身、その風土や姿勢に共感すると共に、社員の誰もが知っている、また多くの社員が利用しているAmazonのサービスを法人として利用することにより、全社的にDX推進や新しいことを取り入れるマインドがさらに広がることを期待しています。

鹿島の取り組み (2)  3 次元で可視化する「3D K-Field」の導入背景と効果

”我々の挑戦は、Web ブラウザー上に建築物の 3 次元モデルを再現し、資機材や人のオブジェクトをリアルタイムに動かすという難易度の高いものでしたが、視認性と利便性が高いシステムを構築することができました。今後もリアルとデジタルの世界を繋ぎ合わせたデジタルツインを活用し、産業界に新たな価値を提供していきます。"

現場管理システム『3D K-Field 』推進担当
建築管理本部 建築企画部    企画・管理グループ 川島 慎吾 氏
建築管理本部 建築企画部 建築ITグループ 天沼 徹太郎 氏

建設業界の変革へ。業務効率化・可視化に向けて
川島 慎吾 氏

鹿島では、2018 年に建築の生産プロセスを変革する『鹿島スマート生産ビジョン』を策定しています。これは、デジタルイノベーションを活用した革新的な建築生産プロセスの実現を目指すものです。
ビジョンには、「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」の3つのコアコンセプトがあり、いずれにおいてもデジタル技術の活用が必要不可欠となっていました。


現場遠隔管理システム「K-Field(ケイ・フィールド)Ⓡ」は、「管理の半分は遠隔で」の一環として2018 年から研究に着手しました。本システムでは、工事現場内の高所作業車、フォークリフトなどの資機材、あるいは作業員のヘルメットなどに小型の発信機を取り付けることで、受信機を通じて位置情報をリアルタイムに取得し、取得したデータをクラウドに集約して、その位置を PC 画面上に表示します。しかし、当初は2 次元の平面図上への表示に止まっていたことから、フロア単位でしか状況確認ができず、たとえば高層ビルの場合では、資機材や作業員の位置の全体像を掴むことが難しく課題でした。

この課題を解決するためには、3 次元でデータを取得することが必要であるため、DX やクラウドに強いアジアクエスト株式会社を新たなパートナーに採用し、「K-Field」を3 次元化した「3D K-FieldⓇ」の開発プロジェクトをスタートしました。

3 次元化のプラットフォームには AWS を採用し、データの増加にも柔軟に対応できるスケーラブルなアーキテクチャで構築しています。AWSは、公開情報が豊富であり、可用性の高さ、メンテナンスのしやすさ、機能やサービスのアップデートの早さも選定の決め手となっています。

現場管理システム『3D K-Field 』推進担当

「3D K-Field」の導入効果。業務効率化の実現とコスト削減の期待
天沼 徹太郎 氏

「3D K-Field」の開発期間は 2019年2月から7月までの6か月で終了し、2020年1月には、地上21 階、地下1階、延床面積約84,000㎡のオフィスビル建設プロジェクトへの初導入を実現しました。

デジタル技術を活用した「3D K-Field」の導入により、資機材や作業員の位置をモニター上に可視化することで、現場で日々発生する資機材の捜索や人の位置把握が瞬時に行え、現場管理業務の生産性向上が期待できます。

また、工事現場での目視や立ち会いが必要な場合を除いた雑多な管理業務を、工事事務所など遠隔地からの管理に切り替えていくことで、事務所と現場の行き来に要する時間が縮減し、現場所員の残業時間抑制に繋がると考えています。また、過去の移動履歴がデータで保存されるため、資機材や作業員のたどった動線を分析し、より精度の高い仮設計画の立案や作業同線の見直しへの活用も期待できます。

現場管理システム『3D K-Field 』推進担当

今後の取り組みと期待

「3D K-Field」が実現する現場の可視化、現場管理業務の遠隔化により、生産プロセスの飛躍的な向上と働き方改革の実現に繋げていきます。また、現在は現場単位で導入を進めていますが、今後は SaaS化することでコスト集約を図っていきます。
さらに、「3D K-Field」で蓄積していくヒトやモノの膨大な移動履歴を、ビッグデータ解析や AI シミュレーションを活用して、最適な現場運営の実現に繋げていきます。本システムが建設業のみならず他産業にも広く普及していくことで、将来的には産業界に新たな価値を提供できると考えています。

「3D K-Field」の導入効果。業務効率化の実現とコスト削減の期待

One Amazonの取組