この記事の内容
1. 見える化とは?可視化との違い
見える化と可視化は、基本的には同じ意味を持つ言葉です。しかしビジネスの文脈で語られる際には、見える化は、見ようとしなくても情報が目に入るという状態を指します。細かなニュアンスに違いがあります。
見える化の定義
見える化とは、目に見えないものを見える状態にすることです。特に、誰の目にもつくような場所に堂々と掲示するなど、見ようとしていなくても自ずと目に入る状態に置くというニュアンスを含んで使われます。これに対し可視化は、ただ物が見える状態に変えることを指します。
見える化という言葉は、1998年に現在のトヨタ自動車株式会社の社員から生まれたとされています。トヨタ自動車に所属していた岡本渉氏が、「生産保全活動の実態の見える化」という論文を発表したためです。
見える化トヨタの事例
岡本氏の論文は、トヨタ自動車の生産活動に関わるものでした。論文を発端に、トヨタ自動車の生産ラインには「あんどん」という非常通知ランプが置かれるようになりました。これによって、生産ラインに異常が起きたときには異常の種類に応じた色のランプが点灯する仕組みになっていました。作業員が、特に注意して見ようとしていなくても、自ずと異常を感知できる状態を作ったのです。これにより、すべての作業員がいち早く異常に対応できるようになりました。
2. 見える化が必要な理由
トヨタ自動車の例から、見える化が事業の効率化に役立つことがイメージできたのではないでしょうか。以下では、見える化がもたらすさらなるメリットを具体的に見ていきましょう。
生産性を向上させるため
現状を見える化することは、業務上の問題にアプローチするために欠かせない第一歩となります。業務全体の状況が目に入ってくると、自ずと見直しのアクションがとれるものです。
よく見られるのが、見える化することで、人的、金銭的、時間的コストが余計にかかっていることを発見するパターンです。
このように、ある作業にどのくらいの時間が掛かっているのか、どのような手法で取り組んでいるのかを把握しあうことで、無駄を指摘し合い効率化のための行動をとりやすくなります。
DX(業務のデジタル化)実現のため
業務効率化を考えるうえで重要視されるDXにも、見える化は役立ちます。
業務プロセス全体を見えるようにすることで、どこにDXを取り入れることが最適なのかがわかるようになるからです。DXを実現できれば、時間的・人的コストが大幅に削減されます。企業の競争力を高めるためにも、今後避けては通れないものになっていくでしょう。
3. 見える化のメリット
実際に見える化を取り入れたことで、業務の状況が好転したというケースが多々あります。具体的に、見える化が企業にどのようなメリットを与えるのかを見ていきましょう。
モデルケースの見える化で成功要因を共有
見える化によって、特定の人だけが持っていた成功要因を社内に共有することができるようになります。本来は職人的なスキルを持った個人のノウハウを共有することは、極めて難しいものです。しかし知識や経験を言語化して、分かりやすく見える化すると、各々が自分の業務にそのノウハウを再現できるようになります。
このように成功事例が社内に広がっていくと、生産力を大きく高めることが期待できます。
成果の見える化でモチベーション向上
成果の見える化は、従業員のモチベーション向上に大きく寄与します。各々の成績を見える化し、「もっと認められたい」という向上心や、「もっと頑張らなくては」という危機感を創出しましょう。漫然と業務にあたるよりも、目標を持って取り組める環境の方が、改善意欲は向上します。
業務プロセスの見える化で無駄を省く
業務プロセスの見える化は、業務改善に直結します。よく起こるミスを把握できるため素早く改善のアクションをとれたり、無駄な作業を省いたりすることができるためです。非効率な作業はできる限り省略し、その分生産性を向上させましょう。
4. Amazonビジネスで購買業務を見える化しよう
購買業務のムダも、見える化によってなくすことができます。多くの企業では、購買額の20%は、見える化がされていない「テールスペンド」に当たるとされています。この部分を見える化し、「誰が、いつ、どんな費目で、何を買っているか」を可視化することで、ムダな出費を削減することができます。
また、Amazonビジネスなら購買に関するデータ全体を一元化して参照することができます。購買の全体像を一目で把握することで購買業務を最適化・効率化できるようになるでしょう。さらに、請求処理なども一括化すれば無駄な業務を省くことができます。人的、時間的、金銭的コスト削減にもつながります。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、Amazonビジネスの導入によって、支出を見える化しました。
それまでは「お品代」と書かれた領収書が多く、企業における購買の全体像が見えていない状況だったと言います。しかし、Amazonビジネスで購買を一元化したことで、課題の見える化に成功しました。
Amazonビジネスを導入するまでは、各部署がそれぞれのルールに従ってバラバラに購買する物を決め、調達部門に依頼していました。「調達に頼むと遅い」「もっと早められないのか」――調達部門の担当者には、そんな不平や不満が寄せられていたと言います。
Amazonビジネスによって調達のスピードが飛躍的にあがった今、担当者は、社員の不満を解消できたのが「何よりうれしい」と話します。「20以上あった工数が4分の1以下にぐっと減った」と強調するなど、見える化をきっかけに、大幅な業務改善を実現することができたことが分かります。
6. Amazonビジネスで購買業務の最適化を!
見える化は、業務改善の第一歩になります。Amazonビジネスなら、購買に関する情報をデータとして一元化し、それを共有することで、購買業務に関する情報を見える化することができます。実際に、購買業務の改善につながった事例も多数あります。業務最適化のために、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。